「HARD TO SAY I'M SORRY」(邦題「素直になれなくて」)
〜邦題の妙・その他〜
CHICAGO 1982

T0P/ MUSIC ESSAY/KINKYO
GUESTBOOK/BACKNUMBERS


 邦題ってのが嫌いだ。特に80年代中頃、「AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)」と呼ばれたボズ・スキャグス、ボビー・コールドウェル・ジェームス・テイラーなどの作品に付けられた邦題が。なんといっても、取って付けたような、きれいな言葉の羅列だけ、原曲の内容なんて関係ない、なんてのが当たり前だったので、こんな時、日本語というものをみっともなく感じるものである。それは、映画の邦題についても同じ。最近は、さすがにそういうところに気付いてきたのだろう。そうそうみっともない邦題にお目にかかることはなくなってきた。

 今回このシカゴのビッグ・ヒットを取り上げたのは、なんのことはない、この時代としては、なかなかいい邦題が付いているからである。「HARD TO SAY I'M SORRY」で「素直になれなくて」とは、なるほど。日本翻訳研修センターの通信教育の教材の中に、例題として出て来そうな邦題である。歌の内容もばっちりそのままだし。(それと比べると、ボビー・コールドウェルの「風のシルエット」なんて、あの曲を作った人が知ったら怒り出しそうだなぁ。スティーヴィーの「心の愛」なんかも同じ)

 邦題のハナシはこのくらいなのだが、僕はこのシカゴの(当時の)ヴォーカル、ピーター・セテラがとても好きなのである。澄みきった声で、しかし甘くなく、カツゼツよくはっきり唄う。まさに「セラミックののど」といった趣の彼の声が、とても好きだった。この歌を初めて聴いたのは、1993年のバレンタイン、MTVの「バレンタイン・ラブソング特集」であった。そこで他にも、マイケル・ボルトンが「WHEN A MAN LOVES A WOMAN」を唄っていたりして、その後僕が長い間お付き合いしていくことになるアーティストにたくさん出会った。あれから5年経って、今日、ふとそんなことを思い出した。


ぶんせきは
KENTARO