「OLYMPIC」
大江千里 1988

T0P/ MUSIC ESSAY/KINKYO
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大江千里の通算6枚目のアルバム。大江千里は、1983年にデビューした後、王子様的キャラクターと、全曲作詞・作曲するというニューミュージックの要素がうまく合わさった新しいタイプの男性アーティストとして、若い女の子を中心にどんどん人気は上がっていった。そして、シングル「POWER」のスマッシュヒットと共にブレイク、3rdアルバム「未成年」も好セールスを記録して、一線級のアーティストとなる。その後も「AVEC」「乳房」の2アルバムも順調にセールスを挙げている。この「OLYMPIC」はこの年ソウルオリンピックが行われたことから名付けられた(らしい)。その後、映画・ドラマへの出演、「格好悪いふられ方」「あいたい」のシングルヒットでさらに一般的に認知される。その後は多少寡作になっているものの、毎年夏の「納涼千里天国」、小説の執筆、NHK「トップランナー」のホスト役、映画への出演等、多方面で活躍している。

大江千里の良さ、これは説明するのが難しい。でも、現在一線で活躍しているアーティストの多くと違って、詩的な者を非常に多く含んだ楽曲が多い。オトコゴコロを描くアーティストとしては、本人も言っているがまさに先駆者で、その後槙原敬之のような同様のジャンルといえるアーティストも登場している。しかし、そうしたアーティスト達のなかで、大江千里の詞というのは極めて男の内面につっこんでくるものが、特にデビューして5年たったこの頃から多くなってくる。まさに、このアルバムがターニングポイントといえよう。それまでの大江千里は、いかにも軟派な大学生(っぽい)日常を情景描写と共につづりつつ、心の動きを描いていくという極めてバブリーな音楽だったが、そこから一歩脱皮が見られたアルバムが、この「OLYMPIC」である。

このアルバム、どこにそうした「ターニングポイント」があるかというと、M5の「塩屋」M7の「贅沢なペイン」である。こうした曲を書くようになってからの大江千里は、聴いていて、男として一段と面白く・痛く・身につまされる想いが強くなってくるのである。カノジョにかくれて聴いてみるのも面白いかも。恋愛を替える度に、その歌詞の印象が違ってくる。オンナノコより、オトコノコにオススメ。

M1.回転ちがいの夏休み
M2.路上のさようなら
M3.STELLA'S COUGH
M4.小首をかしげるTシャツ
M5.塩屋
M6.エールをおくろう
M7.贅沢なペイン


ぶんせきは
KENTARO