「TEN」 T0P/ MUSIC ESSAY/KINKYO
PEARL JAM 1991
GUESTBOOK/BACKNUMBERS
70年代、80年代とやや柔らかめのメニューを紹介したが、このアルバムはなかなかガツンと来る。PEARL JAMはもう世界中で有名なバンドだが、日本ではいまいち人気が上がらず、アルバムのセールスも芳しくない。しかし、本国アメリカではロック・バンドとしてはおそらく3本の指にはいるほどの超人気バンドである。
「TEN」はそのPEARL JAMのデビューアルバムである。このアルバムが出た1990年代前半は、サウンドガーデン、ニルヴァーナ、スクリーミング・トゥリー、マッドハニーなどの新たなハード・ロック勢力がシアトルから出現してきた頃であり、PEARL JAMもそのシアトル勢力の一つなのだが、これらの新しい勢力の特徴は、様々な音楽の要素、メタル・ハードコアパンク・ラップなどを見事にちりばめた、非常に奥の深いロックを提示している点である。PEARL JAMもその通り、様々な要素を混ぜ合わせた濃いアルバム、音楽づくりをしている。
ヴォーカルのエディはそのルックスから想像されるとおり、なかなか重い声を出す。荒々しいエネルギーを放射してゆくような声だが、今までのロックとは違って、画一的なものではなく、様々な曲、様々なシチュエーションによってその表情を変えてゆく、表現力豊かなヴォーカルである。また、それは各楽器にも言えることで、ツインギターによる表現にしても、実に多彩なテクニックを使ってくる。筆者はとくに、このPEARL JAMのドラムプレイも好きである。フィルのいれ方が、今までの画一的なロックとは違う。
数あるロックバンドの中でも、PEARL JAMは格が違う。奥深さ、コクが違うのである。その中でも、個人的にはやはりこのファースト・アルバムが衝撃度でも、出来でもナンバーワンだと思う。PEARL JAMはライヴのチケットの値段を20ドル以下にすることを主張して現在本国のライヴ・プロモーターと訴訟中で、ライヴのチケットを手売りでやっているらしいが、大体20ドル前後で売っているらしい。こんな良質のロックが2500円弱とは、アメリカの青少年達がうらやましい。
ぶんせきは
KENTARO