「曖昧な引力」
1999 小林建樹
T0P/KINKYO
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だいたいブームの境目というのは、J-POPチャートの場合、うじゃうじゃと同じようなルックス、同じような音楽傾向を持った人たちが集結し、なんかこうもう区別つかんわー、というようなかんじになってくる。そうして、ブームの先人たちは我が道をゆけるからいいのだが、そのコピーロボットのようなアーティストたちには、自称「ちょっと違ったワタシタチ」的な輩が群がる。XXXより???がいいらしいよ、とか同じ狭いわっかの中で敵だ味方だと騒いでる、とPleasure状態に陥ってしまうのである。
正直言って、今の顔面不機嫌、アフロ黒人になりたいよもう黒人最高的な人々はもう見飽きたのである。いくらTVを見ていても、黒人「かぶれ」はいっぱい出てきても本物の「黒人」はいっこうに出てこない。非常にお通じが悪い状態である。ピンクの小粒のコーラックなのである。「これはっっ」というアーティストも、そろそろ出てき時なんではないかと思う。
で、最初「これはっっ」と、思ってしまったのだな、小林建樹に。きっつういコントラストのかかったジャケットを見て、そしてヤマハの銘器をさりげなく抱えるジャケ写を見て、「こやつできる」と思ってしまったわけですよ。ところがこいつ、結局はタイトルにあるような「味なしB級(スガシカオ)」としか表現出来ねえような代物だったのだ。つまり、チャートを席巻している不機嫌アフロヘア下唇突き出し女と同類だっていうことだ。
ぜんぶコピーっぽいのだよ、つまるところ。スガ君からつやだけ消したような声は、それでもそれなりに魅力的だし、CDを聴く限りでは結構ギターもうまい。でも、シンガーソングライターやってんだから一番のウリは歌詞でしょ、曲でしょ。それがもういまいちなんだなあ。「満月」はちまたで名曲だと騒がれているようだけれども、少なくとも、何の新しさも感じなかった。ここのレビューなんて最低。そうとう「間違いが」ないと念を押しているが、何が間違いないのだろう。そうとう個性的らしいが、何が個性的なのかさっぱりワカラン。要するに、こういう雰囲気を売っていくアーティストっていうのは、作詞において非常にボキャブラリイが大事なのだけれども、そこの貧弱さが目に見えて分かる。メロディもイマイチキャッチーさに欠けるしね。僕の書いていることがよく分からないヒトは、このアルバムとスガくんの「clover」を比べて聴いて見ればよく分かってもらえると思う。やっぱり、この小林建樹のアルバムでは、彼の声は死んでる、そう思う。
8000人のオーディションで選ばれただかなんだか知らないが、やっぱりこういう作品を出すようだと既存のジャンルの隙間(ニッチ)に入り込もうとして失敗しているという印象が否めない。僕はこのサイトで、比較的女性アーティストばかりをこき下ろしている傾向にある上に、僕が新しく聴く男性アーティストはたいてい「当たり」のヒトが多かったので、数少ない「ハズレ」があったということをここに記すべく、今回取り上げてみたのだ。実際久しぶりに
CD買って損したと思ったぞ。こういうヒトが下手にスマッシュヒットをしたりすると、メインストリーム嫌いの人々があれよあれよと言う間にかつぎ上げるだけかつぎ上げるという状況にもなりかねないし。買ったときは、聴いてこのエッセイでオススメしようと思ったのに、うーん当てが外れた。