「フレンズ」 T0P/ MUSIC ESSAY/KINKYO
〜Back To 80'S〜
1985 レベッカ
GUESTBOOK/BACKNUMBERS
「リップスティック」というCX系のドラマで再びリメイクされたレベッカのヒット曲。日本でもここ10年くらいで、こうしたリバイバル・ヒットと呼ばれるヒットの形態が良く見られるようになってきた。とはいえ、「フレンズ」といえばレベッカのもっとも認知された曲の一つであり、そうした看板商品をリメイクする、というのは最近では余りなかったことだ。どちらかというと、リメイクは選曲する人間が「どぉだ、オレはこんなのも知っているんだぜぃ」みたいなノリで選曲されてくることが多くて、こうした大ヒット曲にはあまりお呼びはかからない。「冬の散歩道」にしてもしかり、「僕たちの失敗」にしてもしかりで、常にメインストリームからハズれたモノが選ばれることが多かったのである。
ともかく、この「フレンズ」、けっこう売れているようである。ドラマをきっかけにしてこの曲がまたもや注目を集めている、そんな姿を見ていて、ふと「自分の居場所がズレた」そう感じてしまっている人も中には多いのではないかと思う。この曲は、80年代のまっただ中、85年にリリースされた曲である。いまから14年前で、そろそろ80年代という奴も「〜s」という表記が似合ってくるお年頃である。昔風の言葉で言えば、「ビートの効いた」この「フレンズ」は、当時買ったCDを、あるいはカセットを聴き続けると、古さを感じないモノなのだが、こうしていわば企画モノとして、リメイクという格好で世に出されてみると「あー80年代だなあ」というのをしみじみと感じてしまうのである。
女性ヴォーカルで長続きしたバンドというのも、当時珍しかった。女性ヴォーカルのバンドは注目されやすかったが、同時に飽きられるのも早いようで、一発屋と呼ばれる人たちには女性ヴォーカルのバンドが多かった。(「ふられ気分でRock'n Roll」のトムキャットしかり、「キッスは目にして」のヴィーナスしかり)わかりやすいという意味で、音楽オタク的でないエポックメイキングがレベッカにはあったような気がする。量産音楽というか、産業”日本的解釈”ロックというか、バブルに乗ったそういううわっついた空気さえこの曲には漂っているのである。
加えて、生音色の極めて希薄な音。ギターソロさえも、なんとなくフェンダーやギブソン的な音でない、ヤマハの紫色みたいなギターで奏でられている様な気がする音。シンセを多用した、音源が発達した今ではカシオトーン並みの薄さの音も、そういう時代を象徴しているような気がする。ポップなんだけど、ポップ過ぎてピコピコし過ぎちゃってる音は、やっぱり当時の流れである。その後日本の音楽は、バンドブームを経て、今まではもろ「バッタモノ」というか、歌謡曲の延長線上で語られ続けていた音楽がどんどん本格派のフリをするようになる。市場には、かっこいいんだけどかわいげのないものばかりが残った。そういうターニングポイントとしても、この「フレンズ」は数えられるのだと思う。「いいモノはいつまでもいい」なんて格好のいいことは、僕は書くつもりなどさらさらない。リメイクして売れていることに大騒ぎするよりも、15年前のポパイをめくりながら聴く「フレンズ」の方がよっぽど愉しいのである。
ぶんせきは
KENTARO