「TAPESTRY(つづれおり)」
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T0P/ MUSIC ESSAY/KINKYO
GUESTBOOK/BACKNUMBERS


盤である。これはいろんな人が「名盤だ名盤だ」といっているアルバムのうちの1つである。いろんな人が「名盤だ名盤だ」といっているからといって、万人受けするとか、全ての人が聴いて涙流してしまうというようなシロモノであるという保証は、無い。この音楽エッセイでも、僕は極力こういう言い方は避けたいと思っている。万人に対する名盤なんてものは存在し得ない。これから紹介するものが、どういう志向を持って音楽を聴いている人に「名盤」となりうるのか、それを自分なりに考えていきたい、そんな次第である。

て、キャロル・キングである。この名前を知っている人っていうのは、あんまりいないんだろうなあと思う。僕も、キャロル・キングとは何者だ?と問われて明確な答えを出すことの出来るほど知識はないのだが、優れたキーボード・プレイヤーであり、作曲家であること(エバリー・ブラザーズとかに曲を書いていた)、あとは「キャロル・キング=つづれおり」という図式が頭の中でできあがっていただけである。つまり、「キャロルキングという人のつづれおりというアルバムがどうもすごいらしい」というくらいの認識しかなかったのである。まあ、一般の(それほど洋楽好きでない人々にとっての)知る人ぞ知る的なアーティストである。ポジション的にはギルバート・オサリヴァン(「アローン・アゲーン、なっちゃりぃ〜」のヒト)なんかが近いような気がする。少々CDの解説を参照すると、最初はプロデューサーとしてのデビューで、このアルバムはソロとして第1作目なんだそうだ。プロデューサーとしては、先に書いたエバリー・ブラザーズの他に、ドリフターズ、ボビー・ヴィー等を手がけていたらしい。

てと、そんなことはどうでもいい。キャロル・キングがどういうヒトであるかはこのくらいにして、このアルバムがどういうものかについて述べようと思う。聴いた印象として、やっぱり落ちつくんですね。女の人が、午後一人で部屋でお茶するときとかに流れてるとなかなかいい感じです。キャロルがキーボーディストということもあって、ピアノがかなりアルバムの全編にフィーチュアされています。最近のテンポの速い生活や音楽に疲れている人なんかはこのアルバムを聴いていると結構癒されるかもしれません。鳴っている一つ一つの楽器の音が非常によく聞こえるため、シンプル且つ、音が薄っぺらに聞こえない、厚みを感じます。ドライヴには向きません。野暮ったくなるだけです。ドライヴ向けの軽快な音楽ならこの季節もっといっぱいあるでしょうから、このアルバムはあくまで部屋向きというのがよろしいかと思います。

ロディーラインはとてもシンプル。万人に「いい」と思わせるものの類にはいることは間違いないです。特にM2の「SO FAR AWAY」なんかは誰でも一度は聴いたことがあると思います。カーペンターズなんかと系統の似た、清貧なメロディーラインです。(「SO FAR AWAY」は数年前、ロッド・スチュワートがスバル・レガシィの CFの中で歌っていたので、知っている人も多いと思います)前にも書きましたが、かなり洋楽好きな人の間では有名なアルバムなので、メディアの露出度も高い。つまりは、「あ、これ聴いたことある!」という曲はかなりあると思います。あと、聴いていて、「あぁ、室内聴き向きだなぁ」と思った決定打は、ギタリストにあります。このアルバムではあのJT(日本たばこではない)、ジェームズ・テイラーがギターを弾いています。彼の澄みきった大人のギタープレイも必聴です。

ーペンターズとか初期のビー・ジーズとか、マイナーなところではエリック・カルメンとかの清貧なメロディーラインの好きな人、そして、あんまり忙しい音楽はお好みでない人なんかにはオススメです。日本人のアーティストを主に聴いていて、洋楽はあんまり聴かない人でも、ピアノ弾きのアーティスト(西脇さんとか、岡村さんとか、澄みきった感じのね)の好きな人、あるいはノリ中心でなくメロディーライン中心の曲が好きな人とかにはとてもいいと思います。背伸びをしてみたい向きには、好きな人と部屋で一緒に過ごす午後とかに流してみると、いいかもしれません。いつもより少し大人っぽい雰囲気が部屋を包んでくれると思います。落ちついた音楽の嫌いな人、カーペンターズだいっきらいな人にとっては、間違ってもこのアルバムは名盤にはなりえません。ドンピシャ合った人にとっては、捨て曲無しのすばらしい打率のアルバムになるでしょう。

M1

I FEEL THE EARTH MOVE

ピアノ主体のアップテンポ・ナンバー。
こういうの結構好きです。

M2

SO FAR AWAY

不朽の名バラード

M3

IT'S TOO LATE

 
M4

HOME AGAIN

詞が深い。今でも考え中。

M5

BEAUTIFUL

  
M6

WAY OVER YONDER

ちょっとR&Bが入って、
間口の広さを感じさせる。

M7

YOU'VE GOT A FRIEND

中盤をしめる素敵なバラード。

M8

WHERE YOU LEAD

 
M9

WILL YOU LOVE ME TOMORROW

うーむ、本当にバラード作家の
面目躍如といったところ。

M10

SMACKWATER JACK

こういうのはちょっと苦手。
カーペンターズにもあったね、こういうの。

M11

TAPESTRY

タイトル曲だけあって珠玉の名曲。

M12

A NATURAL WOMAN

 



ぶんせきは
KENTARO