「UPTOWN GIRL」 (3/4)
BILLY JOEL1987
T0P/KINKYO / BACKNUMBERS /


KANが大ヒット曲「愛は勝つ」を作曲する際にモチーフとしたと公言していることでも有名な、ビリー・ジョエルの大ヒット曲。ビリー・ジョエルはエルトン・ジョンと並び、時によく比較されるピアノを弾くアーティストである。その有名さから、大体僕くらいの年よりも上の人たちで、洋楽の聴きはじめにこのビリー・ジョエル、エルトン・ジョンをチョイスした、という人も少なからずいるのではないか。

ピアノを弾く、特に男性アーティストというのは、日本ではどうしても軟弱な、ひ弱なイメージがあるような気がする。というか、実際軟弱またはひ弱または女々しいと人に言われても仕方のない楽曲を唄う人たちが多い。そして、声はいつも透明感のあるハイトーンで、繊細さをかもし出しながら鍵盤をうつむき加減に叩く、そういった人々が多い。小田和正にしろ、財津和夫にしろ、崎谷健次郎にしろ、そんな感じである。ロックでもポップでも良いのだが、ピアノを弾きつつシャウトする、というようなパフォーマンスを見せるアーティストはあまりいないと思う。ピアノというものの持つそこはかとないインテリ臭が、ロックとかの動的なイメージといまいち合致しない、そう考えることもできるのかもしれない。

だから、とかくピアノを弾く先に出たエルトン、そしてこのビリー・ジョエルの有名な、かつ多くの人に愛される曲も、ゆっくりとしたテンポのバラードがあげられることが多い。それこそ、「Honesty」だとか「Your Song」だとかである。しかし、ベスト盤でもいいからちょっと聴いてみると、シャウトな曲が案外多く、僕はそういうビリー・ジョエルのほうが好きだったりする天の邪鬼である。

特に80年代終わりぐらい、アルバムでいうところの「STORM FRONT」あたりのビリー・ジョエルは、サウンドも角があり、またそれがいかにも80年代っぽい音で僕は特に好んで聴く。そして、それにヒット曲たる所以のキャッチーさがふんだんに盛り込まれているのがこの「UPTOWN GIRL」であり、有名な「We didn't start the fire(邦題:ハートにファイア)」だったりする。この曲を朝、出がけに車の中で聴くことが多いのだが、非常に弾みが付く感じで、一日のはじまりによろしい。「Up」「Town」「Girl」とこの音が、メロディーにはまり込んでいて、ポップさを一段と強調している。破裂音を使うことがあまりなく、またすべての音に母音が入ってしまう日本語の歌詞だと、こういった軽快感はちょっとまねできないのだ。こういう、元気の良い曲のビリー・ジョエルがやっぱり好きだ。



ぶんせきは
KENTARO